競泳・男子200

  萩野は興奮を抑えきれなかった。200メートル自由形はアジアの両雄、孫楊と朴泰桓との対決。150メートルは3位でターンしたが「朴選手が疲れているのが見えたので一気に差した」。2人の間を縫うように圧巻のスパートで抜き去った。

 
 とくに朴泰桓は韓国の国民的英雄だ。今大会はチケットの売れ行きが伸び悩む中、競泳だけは完売状態。満員の観客が手拍子をしながら「朴泰桓」コールを繰り返す異様な雰囲気の中のレースとなったが、スパートはひとかきごとに力強さを増していった。
 
 高速レディース水着時代の日本記録を0秒01上回るおまけ付き。平井伯昌監督は「大金星。まさかだけど、そのまさかからエースになっていく」と目を細める。直後の100メートル背泳ぎは銅メダルに終わったが、アジアの2強を破った感激は、その悔しさを打ち消して十分に余りあるものだ。
 
 もう自由形が世界に通用しない時代ではない。「2人にもっと認めてもらえるように頑張りたい」。ペア水着価値ある金メダルを誇らしげに見つめた。
 
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